『あなたは私の花』⑤

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「ただいま」

誰もいない家の中は薄暗い。

「おかえり」の言葉も 物音ひとつしない。

エリカは部屋の電気をつけた。

(お風呂・・・)

コートとカバンをソファーに置いてお風呂に行った。

湯船を荒いお湯をためた。


ピー


お湯がたまったお知らせ音。

エリカは足早に脱衣所へ行き服を脱いで体を綺麗に洗った。


チャポン


湯船に浸かると擦り傷の多い手足が

ヒリヒリと痛んだ。

(傷だらけ・・・)

そう思った時 椿のことを思い出した。

(あの人は怪我してないのかな・・・)

エリカを助けた椿のことが気になった。