『あなたは私の花』①
真っ白な地面にピンク色の花。
寂し気に 孤独のような・・・
まるであの頃の私をみているみたいで、涙が流れた。
ー2年前ー
放課後のチャイム、全身濡れた彼女、
積もる雪・・・
1歩踏み出せば そこは【死】。
「最悪な人生・・・」
小さな声で呟いて涙を流しながら寂し気に微笑んだ。
ガチャ
「!?」
18時、この時間誰も来るはずのない屋上。
驚いて柵を間に扉の方を振り返った。
「・・・え、何してんの」
扉を開けた先、柵の向こうにいる彼女に彼は声をかけた。
「・・・」
彼を無視して左足を前に出した。
軽くなった体は羽が生えたみたいだった。
(やっと・・・)
彼女は目を瞑った。
ガシッ
つたわってくる体温、聞こえる鼓動を不思議に思いながら 落ちていった。