『あなたは私の花』④
「え...あ!ごめんなさい!」
恥ずかしさでいっぱいになった。
「落ち着いて。」
椿の方を向けず立ち上がった。
「ハ〜・・・。
何があったのか知らないけど死のうとするのは違うんじゃないの?」
椿の言いたいことはわかっていた。
でもそれは 聞き飽きた言葉。
("キレイ事"なら誰でも言える。)
そう言いかけた口を閉じた。
エリカは鞄を持って軽く頭を下げ部屋を出た。
階段をおりて少し急いで靴を履いていたら
椿がおりてきた。
「夕方6時 屋上に来て。」
聞こえないフリをした。
「ご迷惑おかけしてすみませんでした。」
そう言って家を出た。
外は少し明るい。
「・・・さむ・・・」
エリカは携帯をひらいた。
トップ画面には時間。
(6時52分)
あれから12時間たっていた。
「まだ生きてるんだ・・・。」
吐く息は白く、
うすく積もった雪道をゆっくり帰っていった。